★ビッグスロットルの効果★

ここではビッグスロットルに交換することの効果について解説しています。
(基本的にNA車の場合についての説明ですが・・・)
少々話しが長いですので、項目別に分けてあります。
各項目をクリックしてご覧ください。

1.ビッグスロットルとは何をどうするの?

2.ビッグスロットルはパワーアップに有効か?

3.ビッグスロットルのデメリットは?

 

「そもそもスロットルバルブって何ぞや?」

と言う方はコチラ↓をご覧ください。

  「スロットルバルブの解説」

 

 

ビッグスロットルとは何をどうするの?

ビッグスロットルという言葉を聞くと、
スロットルボディー全体が大きくなっているように思えますが、
実際にはスロットルの口径が大きいだけです。
ビッグ・ボア・スロットルと言ったほうが正しい表現なんでしょうね。

現在発売されている物のほとんどが純正の加工品です。
スロットルボディーの内側を拡大加工して
大径のバルブに交換した物ですね。
実物の写真を見てみましょう!

 

右側がビッグスロットルなんですが
左と比べて「大きいと言われれば大きいかな?」ってぐらいの違いですよね。
たったこれだけの違いなのかと思うでしょうが
これがけっこうな違いになるんですよ!

 

重ねてみれば違いがわかりやすいですね。
バタフライバルブ部分だけでなく
入口部分の径も大きくなっているのがわかりますか?
バタフライ部に向かってテーパー加工されている物が多いようです。

 

純正では段付きがある部分も
キレイに切削されている場合が多いですね。
こういった部分での吸入抵抗も減らす加工をしてあるんですね。

 

内部に飛び出していたパイプもキレイに削られています。
このメーカーの商品は内面を鏡面にちかい仕上げにしてあります。
まあ、メーカーによって仕上げ具合は異なりますが
鋳肌そのままの純正に比べればキレイでしょうね。

 

さあそれではいよいよ核心部分に突入です。

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ビッグスロットルはパワーアップに有効か?

さあそれではビッグスロットルを装着すると
パワーはどれぐらい上がってくれるのでしょうか?

クルマやエンジンの仕様によってマチマチなので
一概には言えないのですが・・・
NA車の場合ピークパワーはほとんど変わりませんね。

「ええ〜〜、じゃあ何で換えるの?」って話しになっちゃいます。
そのあたりのことを説明します。

例えばあるエンジンが最大で必要とする空気量が100だったとします。
その場合メーカーは
100の空気が供給できるだけの大きさの
スロットルを付けている場合がほとんどなんですよね。
だから20%のビッグスロットル化で
120にしても
100の空気しか通らないんで意味ないと言うことになります。

まあ、吸入抵抗の変化によって101102ぐらいに
なることはあるかもしれませんが・・・
でもその程度の違いならパワーに換算するとせいぜい5馬力程度。
とてもパワーアップしたとは言えませんよね。

じゃあ何が変わるのか?
下の表をご覧ください。

アクセル開度 30% 50% 80% 100%
ノーマル 30 50 80 100
ビッグスロットル 36 60 96 100

この表は単純計算ではありますが、アクセル開度に応じた
スロットルを通過する空気量を表しています。
ビッグスロットルではアクセル開度80%の時には
全開時と同程度の空気が入っていることになります。

これはアクセル開度が少ない時でも同じ傾向です。
つまり自分が踏んだアクセルの踏み具合以上に
スロットルが開いているということです。
(角度ではありませんよ!面積です!!)
例えば3000rpmぶんのアクセルの踏み具合で
3600rpmぶんの空気が流れるって言うことなんですね。
(実際には違いますが、単純に言えば、です。)

要するに少ないアクセル開度でも
空気が多く入り、下からトルクがモリモリになるっていうことです。
実際に装着した人のインプレッションでも
「上はあんましわからんけど、中低速は全然違う!」
って言う話しが多いですね。

下からトルクが出ることで、加速が良くなり
結果的に速くなるということです。
クルマの動きがアクセルに対してレスポンス良く
加速してくれるようになるんですよね。

 

ちなみにこれはノーマルエンジンの場合です。
ハイカム交換やボアアップなどで、エンジンが必要とする
空気量が増えている場合には話しが変わります。
ノーマルで
100だったエンジンが115になっていたとしたら
純正スロットルでは増えた
15の分は生かせません。
120のビッグスロットルにすることでやっと本領発揮ということですね。

今まではこういった場合には4連スロットルなどを
使うしか無かったのですが
インマニとかが設定されている車種しか装着できませんでした。
純正加工のビッグスロットルなら、基本的に
どんな車種でもOKですよね。
(中にはできないクルマもあるかもしれませんが・・・)

ただし、純正の加工になりますので
拡大できる幅には限界がありますよね。
あまり大きく削りすぎると強度や耐久性に問題が出てきます。
だいたい2mm〜5mmの設定が多いようです。
それでも5%〜20%ぐらいの面積アップになるようなので
効果は充分あるんだと思います。

反対に大きくしすぎてもイイことばかりとは限りません。
次はそのあたりの説明を・・・

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ビッグスロットルのデメリットは?

いいことばかりのビッグスロットルのようですが
デメリットもそれなりにあります。

ほとんどが加工品になりますので、その精度が問題になります。
粗悪な加工精度だと耐久性に問題があったり
バルブの密着不良でアイドル不調になったりすることがあります。

こればっかりは加工をするメーカーの信頼性を
あらかじめネットなどで調べるしかないですよね。

 

上で2mm〜5mmぐらいの拡大と書きましたが
これ以上大きくしすぎてもあまり意味がありません。
それどころか大きすぎるスロットルだと微妙なアクセルコントロールが
できなくなってしまうことがあります。
アクセルをジワ〜ッと踏んだのに、クルマはグワッと
加速してしまうようなことに・・・

特にサーキット走行などのように
微妙なアクセルコントロールが要求される場面では
大きすぎるスロットルは諸刃の剣になりますね。
大排気量の他車品を流用している物も見かけますが
ゼロヨンのように全開時間の多い場面ぐらいでしか使えないじゃないかな?

 

次のデメリットは・・・
加速が良くなったからといってアクセルをガンガン踏んでいると
当然ながら燃費は悪化してしまいます。
まあ、これはビッグスロットルに限ったことでは無いのですがね。
マフラー換えて音が良くなったからといった時もだし、
ブローオフ付けて「プシュ、プシュ」言わしてても同じですよね。

ただビッグスロットルの場合には
乗り方を変えてやれば燃費が良くなる場合があります。
スロットルの開く量が多いということは
少ないアクセル開度で今までと同じ走りができるってことですよね。
エンジンの燃調は空気量だけでなく、アクセル開度も拾ってますので
開度が少なければ燃料も少なくできるんです。

 

続いてはその燃調のことです。
車種や拡大幅によってはノーマルCPUで対応できない場合があります。
同じメーカーから対応したチューニングロムが
発売されてれば、まだいいのですが・・・
発売されていない場合にはサブコンやフルコンを使って
現車セッティングが必要になってしまいます。

ノーマルエンジンで通常の範囲の拡大幅であれば
ほとんどがノーマルCPUでいけると思います。
なんせピークパワーは変わらないんですから・・・
その面から考えてもデカすぎるスロットルはマズイんですよね。
まあ、エンジンをあれこれイジって、パワーアップを狙うつもりだったら
ソレもありなのかもしれませんが・・・

 

 

ビッグスロットルの解説は以上のような内容です。
ご理解いただけましたでしょうか?
今後もこっそりと追記・修正することがあるかもしれませんが・・・