NSX C30A ハイコンプチューニング作業の紹介です。

★C30A ハイコンプチューン★ 
補機類編


今回はエンジンの内部だけでなく、補機類も
いろいろ交換してやりました。

まずはクラッチです。





選んだのは「エクセディ・ハイパーカーボンシングル」です。
この商品は発売間もない新製品です。
今までと同じメタルのツインでもよかったのですが
やはり新しい物好きなのでカーボンにしてみました。





カーボンのディスクです。
見慣れたメタルのディスクに比べると異様な感じ・・・
カーボンディスクはメタルに比べて、軽量で耐久性もあり
しかも扱いやすいと言うんですからバッチリですね。
ツインからシングルになるので、容量の心配がありますが
NSX用のカーボンシングルは400PSオーバーまで
対応になっているので問題なしでしょう。





NSXはあらかじめレリーズベアリングを
カバーにはめこんでおくのですが、そのままでは
入ってくれないんです。





フライホイールにディスクの代わりになるワッシャを
置いてカバーを取り付けてやります。





そうするとプレシャープレートが持ち上げられて
ダイヤフラムスプリングが広がります。
その状態でレリーズベアリングを引っ張って
はめ込みます。
レリーズのほうに溝があるのでズレないように
注意して、カバーを緩めてやります。





クラッチ装着完了です。
カーボンクラッチは慣らしが500km以上必要です。
サーキット専用車なのでけっこうツライですが
エンジンの慣らしもあるので、大丈夫でしょう!

メタルより熱に強く、耐久性もあるから
当分の間は心配ないと思っていたのですが・・・
なんと、半年もしないうちに滑りはじめてしまいました。
メーカーに確認してもはっきりとした原因は不明・・・
何でだろう?

もう一度同じ製品の新品を装着することになり
商品が届いたので確認してみると・・・





あれっ、ディスクが仕様変更されているじゃないですか!
前回組んだ物には無かった溝が、ディスクに刻まれています。
これが原因で滑ったわけでは無いんでしょうが
発売から半年程で仕様変更されていたら
疑いたくなっちゃいますよねえ。





左側が発売直後のディスクで、右が現在の物です。
右には溝が切ってあるのがわかりますか?
こうなると今回組む新品も心配ですねえ。
次に滑って注文したら、また仕様変更してたりして・・・





お次はタコ足です。
今まで装着していた物は、ものの見事に割れていたので
今回新品に交換です。
チョイスしたのは「タイテック」のタコ足です。
仕上がりもキレイですし、信頼性もあって当店の
お客さんにも評判のいいメーカーですね。
この車はマフラーもタイテックなのでバランスもいいでしょうね。





これはリアバンク用のタコ足です。





で、こちらがフロントバンク用。
キレイな曲がり具合がお見事ですね。
残念ながらNSXはエンジンルームからタコ足を
見ることはできませんけどね。





どうせ見えないんだから、と言うことでは無いんですが
バンデージをフルに巻いてやりました。
熱の溜まりやすいミッドシップのエンジンルームですから
少しでも熱の発生源を抑えてやらないと・・・
でもまるでミイラ男状態ですね、こりゃ。





このタコ足はO2センサーの位置が変わるので
配線を延長してやらないといけません。
NSXのO2センサーはコードが4本あるのですが
2本が黒色なので、アベコベにならないように
気をつけて1本づつ繋ぎます。





続いては修理の部類ですね。
NSXはドライブシャフトのブーツから、グリスがにじんでいる
車がけっこう多いんです。
低年式車だとまず間違いなくにじんでいますね。
この写真はエンジンを降ろす前のものなんですが
にじんだグリスが飛び散って真っ黒けです。





こちらのブーツはどうやら裂けてしまっているようです。
FF車でもないのにこんなにグリスが出る車も
少ないんではないでしょうか。





新車から交換していなかったと思われるブーツの
バンドは「パチン」と倒して締めるタイプでした。
このタイプは作業はラクなんですが・・・





新しいブーツは引っ張って締めるタイプになっていました。
(もちろんホンダ純正部品ですよ!)
やはり倒すタイプだと締める力が足りなかったんですかねえ。





このタイプのバンドは締め込み具合が肝心なので
専用の工具を使ってキッチリ締めてやります。
これで当分の間はグリス漏れの心配は無いでしょう。
今までブーツ交換をしていない低年式車のオーナーさんは
1度確認してみたほうがいいですよ。
きっと漏れてるはずですから・・・





以上でハイコンプチューンの作業終了です。
無事エンジンも搭載できて、アイドリングも安定しています。
慣らしが終わって全開にできるのが楽しみですねえ。

サーキットインプレッション等は次のコーナーで!