ミラAVY 水漏れ修理作業の紹介です。

★ミラAVY 水漏れ修理★





先日お客さんからTELが・・・

「水がダア〜〜ダア〜〜漏りょうる〜〜!」
どうやらハンパな漏れ具合では無いようです。
なにしろコンビニの駐車場からTELしてきたみたいなんですけど、
そこに財布を忘れてくるぐらい焦っていたようなんで・・・(笑







このクルマが問題の ミラAVY!

たしかにけっこうな勢いで水が漏れてました。
どこから漏れているのか?と確認したところ・・・







どうやらシリンダーヘッドとインマニの間から漏れているようです。
写真は作業後の物なので水漏れは写っていませんが、
ちょうど緑の矢印のあたりからボタボタと漏れていました。

かなりの勢いで漏れていましたから、
「こりゃあ、パッキンでも切れたか? それともインマニにクラックでも・・・?」
とりあえずインマニを外してみることにしました。







漏れていた場所はココです。
茶色いパッキンが付いている部分は、
シリンダーヘッド側に水穴があるんです。
しかしインマニ側には水路があるわけでもなく、
ただ蓋をしているだけの構造になってます。

何のためのヘッドの水穴なんでしょうね?
FR等の縦置きエンジンなら
ちょうどウォーターアウトレットになりそうな部分ですが・・・
あっ、そうか! 軽トラがありましたね!!
軽トラならFRですから納得がいきますよね〜〜。
共用部品になっていたんですかね?

パッキンを確認しましたが切れてはいません。
インマニやヘッドにもクラックも無さそうです・・・
じゃあ、いったい何が原因なんだろう?







パッキンをよ〜〜く見てみると、
矢印部分に微妙に変形した形跡がありました。
(矢印両脇の2つの膨らみは元々の形状です。)
このパッキンは外周部分がぶ厚い I 断面形状をしています。
そしてその厚い部分がはまり込むようにインマニは溝状になっています。

ただ、パッキンの平面部分が収まるように、
溝の内側の「壁」は高さが低いんですよね。
おそらく熱か何かの影響で
パッキンが膨らんでしまったんじゃないかと思われます。
一定以上の大きさに膨らんだパッキンは行き場が無くなってしまい、
内側の低い壁を乗り越えて「逃げ」ちゃったんじゃないでしょうか。
この状態でパッキンを溝にはめてみようとしたんですが、
全く収まりませんでした。
けっこう膨らんでしまっている証拠でしょうね。







最近ハマっている(笑)図解にしてみました。
現物だとその状態が再現できないんで、
こっちのほうがわかりやすいですかね?
パッキンを交換して終了! としようかと思いましたが・・・
お客さんと相談のうえ、インマニも交換することにしました。
もしかしたらインマニの歪が原因でパッキンが逃げたのかもしれませんしね。
何しろ最近のクルマのインマニはプラスチック製ですんで、
イマイチ信用できませんから。
思ったほど価格も高くなかったですしね!







新品のインマニASSYです。
水穴部分のパッキンだけでなく、
ポートやスロットルボディー部分のパッキンも新品になります。

ここで 発見!!







水穴部分のインマニ形状とパッキンが変更されていました!
パッキンは I 断面形状の物からリング状の物に変わっています。
そしてそのパッキンが入るインマニの溝部分は
内側の壁も高くなった完全な溝になってます。
これなら少々膨らんで変形しても
壁を乗り越えて逃げることは無いでしょうね。

こういった変更が加えてあるということは・・・
おそらく他のクルマでも同じような事例があったんだと思われます。
そこでメーカーが改良部品を作ったんでしょうね。

直接事故とかには結びつかない部分ですので
「リコール」にはならないんだと思います。
また、過去の事例も大きなトラブルにはならなかったんでしょう。
なのでメーカーはひっそりと部品改良をしたんでしょうね。

こういった改良は各メーカーでけっこうあることなんですよね〜。
症状が出たクルマにだけ改良部品を使って修理するってことはね・・・
公表してクレームにするかどうかはメーカーの判断なんだと思います。
今回の事例はそんなに頻発していないんで、
この程度の対応なんでしょうね。
まあ、このクルマ自体10万km超えてますから、
クレーム対応にならないのは当然ですが・・・