W164アストンマーティン DB7 ブレーキオーバーホール作業の紹介です。

★アストンマーティンDB7 ブレーキオーバーホール★


街中で走っているのを見かけることはまず無いのに、
常連さんで乗っている方がいるもんですから
ウチの店ではおなじみのクルマ・・・

アストンマーティンDB7!







最近ではこのクルマが駐車場に入ってきてもさほどビビらなくなりました!(笑

今回はトラブル発生でご来店!
「ブレーキ」と「ABS」のインジケーターランプが点灯して
ブレーキペダルがスカスカになって全く効かないとのこと。

さっそくクルマをリフトに入れてチェックしてみると・・・
マスターシリンダーのタンクは空っぽです!
「こりゃあどっかからフルードが漏れてるな〜」ということで詳しく見てみると、
有りました、有りました漏れてるところが!!







まずはフロントのブレーキキャリパーです。
シールがダメになって漏れてきているようですね〜。
続いて・・・







プレーキラインの中間に入っているバルブらしき部品。
ここからも漏れているようです。
いったい何の役目をしている物なのかはっきりしませんが、
リア用のラインに付いているので国産車でいうPバルブのような物かもしれません。

見たところパッキンのような物は見当たりませんのでASSY交換ですね。
注:黒いゴムのパーツはパッキンではありませんでした。
外周の溝にはまっているオーリングです。

当然ながら部品がありませんので、その場での修理はできません。
部品が入荷してから再度お預かりすることにしました。
しかしこのままの状態では危なくて走れたもんじゃありませんよね。
そこでフルードを足してエア抜きをしておきました。
オーナーさんに予備のフルードも渡して、減ってきたら注ぎ足してもらうことに・・・


どうせフロントキャリパーをオーバーホールするならついでにと言うことで、
リアキャリパーもオーバーホールして、ホースも交換しとこうってことになりました。
今のところリアキャリパーは漏れは出て無いんですが、
ついでですから、つ・い・で!

ブレーキ廻りのオーバーホールはしたことが無かったようですんでね。
じつはこのクルマ、こう見えて15年も経過している、けっこうなお年寄り?
スタイルが独特なんで古さを感じさせないですよね〜。
(足廻りの構造とかを見ると古臭いですが・・・)







さっそく部品を調べてみたところ・・・
キャリパーのシールキットがフロントはあるんですが、リア用は設定なし!
しょうが無いんでキャリパーASSYの値段を調べたら・・・
左右2個で、な・な・なんと、国産車用の「brembo」キャリパーのキットが
前後セットで買えるようなべらぼうなお値段なんです!

こんなチンケな片押し1Potキャリパーが何でそんなに高いんじゃ??
もう、ボッタクリと言っていいようなお値段ですね。
ちなみにフロントキャリパーのお値段はその半分ぐらい。
何で対向4Potよりチンケな1Potのほうが高いんでしょうね。
大きさもフロント用のほうが全然デカイのに・・・

しかたが無いのでリアキャリパーは触らずに(現状漏れてませんから・・・)
フロントのオーバーホールとホース・バルブの交換をすることにしました。
とは言え例のバルブも結構なお値段なんです。
たったあれだけの(全長10cm弱)物なのに・・・


DB7は現行型では無いためか、部品はほとんど国内には在庫がありません。
発注をかけてから本国(イギリス)から取り寄せます。
それでも贅沢に飛行機に乗ってやってくるので、
1週間ほどで入ってくるんですけどね。
そのあたりもボッタクリ価格に影響しているんでしょうかね〜?

部品が入荷したので作業開始です!







フロントキャリパーです。
漏れたフルードにパットのダストやらのゴミが混じってドロドロ状態!
ピストンのダストブーツも破れていますね〜。







パットやピンもご覧の状態です。
こりゃあ洗浄に苦労しそうですね〜〜。







もちろんローターも・・・
このクルマのマスターシリンダータンクはかなり容量がデカイんです。
そのタンクが空っぽだったわけですから、
相当な量のフルードが漏れたことになりますもんね〜。
これぐらいになってても不思議はありませんね。







キャリパーのオーバーホール完了です。
思っていた以上に状態が悪かったのでけっこう時間がかかりました。
特にシリンダーのサビ落としが・・・
ダストブーツが破れていたので、水が入っちゃたんでしょうね。







とりはずしたシールです。
ボロボロでかなりヒドイ状態でした。







このクルマはちょっと変わった構造になっているんですよ。
タイロッドに繋がっているナックルアーム?が
キャリパーと共締めになっているんです。
国産車ではまず見ない構造ですよね。

写真のボルトの頭に穴があるのがわかりますか?
じつは緩み止めの「ワイヤーロック」用の穴なんです。
このあたりもイギリス人のコダワリなんでしょうかね〜〜。







キャリパーを組み付けて、ホース・バルブを交換して完成です。
もちろんエア抜きもきっちりやってますよ!
しかしキャリパーの状態が思ったよりもひどかったので、
当分の間は経過観察が必要かもしれませんね〜。
もしダメだったらbremboキャリパーキット並の大枚をはたいて、
純正キャリパーの新品を買うしか無いんですけどね・・・




この日は他にも輸入車の作業がありました。
アライメント調整だったのですが、クルマが・・・

ポルシェ911(996)!







何だかウチの店のピットじゃ無いような風景ですね。(笑
2台の新車価格を合わせると豪勢な家が建ちますよね〜。
いやはや、なんとも...







個性的な後ろ姿の競演です!
国産車には無い、味のあるスタイルですよね〜、2台とも!!
田舎のタイヤ屋さんでも何年かには1度ぐらいはこんな高級な日もあるんですよ!