S2000 クラッチ 交換作業の紹介です。

★S2000 スーパーシングルクラッチ装着★

ホンダのS2000のクラッチを交換しました。
別に滑っていたわけでは無いのですが、「オークションで
中古品のスーパーシングルを手に入れたので
交換して欲しい。」との依頼でやることに・・・

さあ、作業開始です。
ミッションオイルを抜いてプロシャを外します。
ここでさっそく問題発生!





本来はデフ側のボルトを緩めて、プロシャを抜いて
しまうのですが、ボルトが固くてゆるまない!!
ボルトの頭をなめてしまいそう・・・
しょうがないのでミッション側のボルトを緩めて
プロシャを横にズラすことにしました。
降ろすとき邪魔になるのでホントは外したかったんだけど・・・





レリーズシリンダーや配線等をミッション本体から
取外していきます。





S2000はプルタイプのクラッチなので、レリーズベアリングは
クラッチ側に残る構造になっています。
ベアリングを動かすフォークを外側に引き抜いておかないと
引っかかってミッションが降りてきません。
奥に見える細い棒の部分がはまり込んでいるだけなので、
軽く引っ張るだけで抜けてきます。





この車はとっても緩めにくいところにボルトがあります。
この写真は運転席側、EXマニのウラあたりです。
工具が入りにくいのでちょっと面倒です。





1番とんでもないのがこのボルト!
INマニの下側で奥のほうにあるので、工具どころか手も入らない。
頭を赤く塗ってあるボルトがピンボケ気味に写っているのが、
わかりますか?(黄色の矢印の先です。)





ミッションを降ろした状態で確認すると、この位置になります。
上のINマニとのクリアランスを見てもらえば、いかに大変かが
ご理解いただけると思います。





さらにもう一丁!
フレームとのすき間が全然ないのでもう大変。
仮に工具が入って緩んだとしても、ボルトが出てこれない。
(当然、工具は入りませんけどね。)
このボルトはヘッドのウラあたりの、運転席側にあります。





エンジンが載っっかっているサブフレームのボルトを
緩めて、サブフレームごと下にずらしました。





これでやっとフレームの影から顔を出してくれます。
この状態なら工具も入って、ラクラク緩められます。





やっとミッションが降りてクラッチをバラシました。
フライホイールの焼け具合は「まあまあ」といったとこですか。
年式・走行距離からすればこんなもんでしょう。





ノーマルのクラッチカバーです。
フライホイールに比べると、圧着面が荒れていますが、
焼けはそうでもないようですね。





クラッチディスクのほうはまだまだいけそうです。
磨耗具合もOKだし、焼けもないようです。





さあ、いよいよ主役の登場です。
中古品とはいえ、ほとんど使っていないらしい物だそうです。
なんでも、女性オーナーだったらしくペダルの重さに閉口して、
装着直後に外しちゃったそうです。
「女性ドライバーで、すぐに外した。」というとこが引っかかりながら、
とりあえずバラシて状態を確認してみました。





まずはフライホイール。





ゲゲッ。けっこう焼けてる!!
とても装着直後に外した物とは思えない。





お次はカバー。
こっちはもっとヒドイぞ〜!!!
圧着面の荒れようといったら、もう言葉がありません。





しかもかなり焼けてるし・・・





ディスクのほうは、残りはけっこうあるものの・・・





お〜い!! エグレてるぢゃないですか!
こりゃあ、全部ヒドイ状態ですねえ。
強化クラッチ初体験のおじょうちゃんが、半クラ使いまくりで
ガッコンガッコンやったんでしょうね。
こういったとこはオークションって怖いですね。
現物の確認が出来ないから、来てみてビックリってとこですね。
消耗部品の中古をオークションで買うのは、
あまりオススメしませんね。
ちゃんと状態が確認できるような写真をアップしている
出品者さんの物なら安心でしょうけど。

オーナーと協議の結果、このままいくことに。
新品パーツを使うほど、予算に余裕が無いようで。
こんな状態だとは思ってなかったので、当然といえば当然ですが・・・





カバーにレリーズベアリングをセットします。
カバーの穴が小さすぎて、そのままだとちゃんと奥まで入りません。





まずはベアリングをカバーの穴にのっけておいて、
プレッシャープレートにスペーサーを取り付けます。
ディスクを挟まないで、フライホイールに仮組みして
カバーの穴を広げた状態でベアリングはめ込みます。





レリーズベアリングのセット完了です。
カバーだけの状態だとベアリングはかなりキツキツです。
カバーの爪がベアリングの溝にはまり込んでいるのが
わかりますでしょうか?





フライホイールを取付て。





ディスクとカバーのセット完了です。
あとはミッションを元通り載せて終了です。

装着後のインプレッションですが、
思ったほどジャダーや乗りにくさも無く、一安心。
まあ、寿命はさほど長くはないでしょうが、とりあえずは
当分乗れそうです。
ハード走行でのトラブル発生の可能性はありますが・・・